札幌市中央区のイベント『北海道農民管弦楽団創立20周年記念定期演奏会』

農民オーケストラは、私が学生時代に宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」に出会い、深く共感して以来、あたためてきた夢でした。賢治と同じ３０歳で農民となり、仲間と共に作った農民オケ２０年の活動で、まだまだ決して理想通りのものになってはいませんが、「永久の未完成、これ完成である」という彼の言葉に励まされています。 　
賢治没後８０年に、彼が農民オーケストラを作ろうとした花巻での演奏会も果たし、この２０周年の節目に、誰よりも農民の幸せを願い、自らも農民であろうとして、決して思うようにはならず若くして亡くなった賢治の心の叫び＝祈りを、オラトリオという形で壮大な音楽にしてみました。 　
大地に根ざして、すべての人が仲良く幸せに生きる、賢治の目指した世界には程遠い、現実の世界があります。音楽の力を信じ、鍬で大地を耕す我々が、音楽で人々の心を少しでも耕すことができれば幸いです。　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　代表　　牧野 時夫