札幌市北区のイベント『映画「水俣曼荼羅」自主上映会＋原一男監督トークイベント』

映画「水俣曼荼羅」自主上映会＋原一男監督トークイベント
札幌の劇場で一度上映された後、３日間限定の上映会で上映されてからは一度も観ることができなかった、鬼才・原一男監督の最高傑作。待望の再上映！
20年もの歳月をかけて製作された『水俣曼荼羅』。6時間12分の映像が映し出す水俣病事件にかかわるさまざまな人びとの、それぞれの物語――。人と社会の複雑さと奥深さが描かれる。

〈作品紹介〉
「水俣はもう、解決済みだ」そう世間では、思われているかも知れない。でもいまなお和解を拒否して、裁判闘争を継続している人たちがいる―
穏やかな湾に臨み、海の幸に恵まれた豊かな漁村だった水俣市は、化学工業会社・チッソの城下町として栄えた。しかしその発展と引きかえに背負った〝死に至る病″はいまなお、この場所に暗い陰を落としている。不自由なからだのまま大人になった胎児性、あるいは小児性の患者さんたち。末梢神経ではなく脳に病因がある、そう証明しようとする大学病院の医師。病をめぐって様々な感情が交錯する。国と県を相手取っての患者への補償を求める裁判は、いまなお係争中だ。そして、終わりの見えない裁判闘争と並行して、何人もの患者さんが亡くなっていく。しかし同時に、患者さんとその家族が暮らす水俣は、喜び・笑いに溢れた世界でもある。
豊かな海の恵みをもたらす水俣湾を中心に、幾重もの人生・物語がスクリーンの上を流れていく。そんな水俣の日々の営みを原は20年間、じっと記録してきた。
「水俣を忘れてはいけない」という想いで―壮大かつ長大なロマン『水俣曼荼羅』、原一男のあらたな代表作が生まれた（『水俣曼荼羅』公式ホームページhttps://docudocu.jp/minamata/　より）。

〈原一男監督からのメッセージ〉
この作品を作るにあたり、私は二つの課題に直面した。
一つは、水俣病の闘争が停滞気味の中では闘争からエネルギーをもらうことは能わず、逆に、その闘争を刺激するパワーある作品を作らなければならないという課題。もう一つは、既に水俣病を描いた傑作群が存在するなかで、これまでに描かれたことのない新しい切り口を見つけなければならないという課題だ。
ここに、私が試行錯誤の末に出した答えに辿り着くためのヒントのようなものを記しておきたい。一つはこのタイトル。これに２０年以上の時間をかけた苦悩が凝縮されている。それはどういうことか？そしてもう一つ。私はこの作品をエンターテイメント・ドキュメンタリーと呼びたいと思っている。なぜか？
この作品を、この二点に沿って読み解く作業は、ゲームのようなものだと思っている。かなり高度な知的なゲームなので、じっくりと構えて取り組んで欲しい。そんなふうに読み解く作業が、つまりは、この作品を理解する、ということだ思っている。以上の問いかけへの答えのようなものは、当日、トークの場でお話ししたいと思っています。

〈原一男監督プロフィール〉
1945年山口県宇部市生まれ。ドキュメンタリー映画監督。1972年『さようならCP』で監督デビュー。今村昌平・浦山桐郎監督、カメラマンの姫田眞左久に師事。主な監督作に『極私的エロス・恋歌1974 』(1974年)、 『ゆきゆきて、神軍』(1987)、『全身小説家 』 (1994年)などがある。2024年10月、ラヴェンナ・ナイトメア映画祭にてゴールデンリングを授与される。現在は『水俣曼荼羅Ⅱ』など新作を撮影中。近く、『水俣曼荼羅Ⅱ』製作費クラウドファンディングを立ち上げる予定。

〈上映会開催概要〉
日時：2024年12月22日（日）9時開場、10時開演〜19時15分終演予定
会場：北海道大学学術交流会館小講堂
定員：180名
チケット料金*1：一般 2,000円　学生 1,500円 *2
*1: 上映にかかる費用の一部をカンパや協賛金で負担しているため、通常の半額近い料金でご覧ただけます。
*2: 学生料金でチケットをご購入いただいた方は当日学生証を必ずお持ちください。
申し込み方法：チケット販売サイトpeatixよりお申し込みください。
[申込はこちら] https://minamatamandarahokudai.peatix.com/

〈当日プログラム〉
開場 9:00~
第一部上映 10:05~12:00（115分）
お昼休憩① 12:00~13:00
第二部上映 13:00~15:18（138分）
休憩② 15:18~15:30
第三部上映 15:30~17:30（119分）
休憩③ 17:30~17:40
原一男監督トーク 17:40~19:10（90分）

主催：北海道大学大学院文学研究院笹岡正俊研究室
後援：日本平和学会北海道東北地区研究会、さっぽろ自由学校「遊」
お問い合わせ：hokudai.minamata★gmail.com（北大「水俣曼荼羅」自主上映会事務局）★を＠に変えてお送りください。